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安全衛生管理体制

7-7

当事業場の製造工場が約100㎞圏内に6カ所(A13人、B60人、C5人、D20人、E10人、F25人)あります。衛生管理者と安全管理者はBに各1名おり、産業医はまだ決めていませんが、これらを1つにまとめた安全衛生委員会を運営することを検討しています。注意点等があれば教えてください。

安全衛生委員会の運営について、以下のとおり整理してみましたので、ご参考としてください。

1.法律の適用単位について
貴社において製造工場が約100㎞圏内に、A、B、C、D、E、Fの6カ所に分散されているとのことですが、まずは法律の適用単位を考えてみたいと思います。

労働安全衛生法第2条第2号において、労働者の定義として「労働基準法第9条に規定する労働者」となっており、労働基準法第9条では、「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される労働者で、賃金を支払われる者をいう。」としております。

ここでいう「事業」の考え方として、行政通達が示されています。

(S22.9.13発基第17号、最新改正H11.3.31基発第168号の通達)

当該通達では、

  1. 事業とは、工場、鉱山、事務所、店舗等の如く一定の場所において相関連する組織のもとに業として継続的に行われる作業の一体をいうものであって、必ずしもいわゆる経営上一体をなす支店、工場等を総合した全事業を指称するものではないこと。
  2. 従って一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定すべきもので、同一場所にあるものは原則として分割することなく一個の事業とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業とすること。
  3. また、場所的に分散しているものであっても、出張所、支所等で、規模が著しく小さく、組織的関連ないし事務能力等を勘案して一の事業という程度の独立性がないものについては、直近上位の機構と一括して一の事業として取り扱うこと。例えば、新聞社の通信部の如きはこれに該当すること。

としています。

つまりは、法律の適用単位としまして、支店、工場等を総合した全事業をさすものではなく、場所的観念によって決定され、場所的に分散しているものは原則として別個の事業とすることとしています。

貴社の場合に当てはめてみた場合、A~Fの製造工場が約100㎞の圏内ではあるものの、場所的には分散しておりますから、A~Fの事業場一つ一つが「事業」として取り扱われることになり、それぞれの事業場が法律の適用単位となります。なお、場所的に分散しているものであっても著しく規模が小さく一の事業として独立性がないものについては、直近上位の機構と一括して一の事業として取り扱われますが、C事業場の場合5名の労働者が在籍し、所長等の管理者が配置されて安全管理や労務管理など一定の管理がなされていれば、やはり独立した事業場と取り扱われることになります。

2.安全衛生委員会の設置について
上記1のとおり、貴社における労働安全衛生法の適用にあたっては、A、B、C、D、E、Fの事業場それぞれが一つの適用事業場として適用単位となります。

次に、「安全委員会」の設置については労働安全衛生法第17条に、「衛生委員会」の設置については同法第18条に、また、これらを統合した「安全衛生委員会」の設置については同法第19条にそれぞれ規定されており、委員会設置のための事業場の規模が定められています。

貴社は、金属加工業でありますから、事業場の規模が50人以上ですと「安全衛生委員会」を設置しなければなりません。

したがって、法律的には、労働者が60人のB事業場には「安全衛生委員会」を設置しなければなりません。また、B事業場には「産業医」の選任も必要となりますのでご留意願います。

このことから、他のA、C、D、E、Fの事業場については、必ずしも「安全衛生委員会」の設置までは法律上義務付けられておりません。しかしながら、労働安全衛生法の規定は最低限のものでありますから、法律を上回る形で運用することは何ら差し支えありません。


また、参考ではありますが、労働者数が10人以上50人未満の事業場(A、D、E、Fの事業場)には、「安全衛生推進者」を選任する必要があります(労働安全衛生法第12条の2)。

3.安全衛生委員会の運営について
法律的には、B事業場について「安全衛生委員会」を設ける必要がありますから、B事業場を中心に運営を行っていく必要があります。その中で、A、C、D、E、F事業場を含めて法律を上回る形で「安全衛生委員会」を設置、運営していくことは問題ないものと思います。


ただ、ここで注意しなければならないことは、「安全衛生委員会」の委員の構成です。「安全衛生委員会」の委員の構成は、労働安全衛生法第19条に規定されているところですが、B事業場にかかる委員構成を確保しつつ、あくまでもプラスα分の委員として他の事業場の者を選出する必要があると思います。

具体的に、法律的な「安全衛生委員会」の委員の構成は次のとおりです。


(イ)総括安全衛生管理者又は総括安全管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
→社長自ら行う場合もあるでしょうが、一般的には当該事業場の所長や工場長など統括管理を行う者が就くことになるでしょう。

したがって、貴社の場合、B事業場の所長(OR工場長)になるのでしょうが、これを例えばA事業場など他の事業場から選出する訳にはいきません。


(ロ)安全管理者及び衛生管理者のうちから事業者が指名した者
→貴社の場合、安全管理者と衛生管理者がB事業場にいますので、その方々が委員として選出されることになります。

(ハ)産業医のうちから事業者が指名した者
→貴社の場合、産業医はまだ決めていないとのことですので早めに選任願います。


(ニ)当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
→人数の決まりはありませんが、「当該事業場の労働者で、~」ですから、貴社のB事業場の労働者を必ず入れる必要があります。

つまりは、委員の構成としてB事業場の労働者が一人も入っていないというのでは問題があります。


(ホ)当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
→(ニ)と同様です。

また、B事業場は、B事業場のみで「(B事業場)安全衛生委員会」を設置、運営し、A~F事業場全体での「(貴社(拡大))安全衛生委員会」を別に設置して運営していくことも可能かと思います。B事業場における安全衛生の実情はB事業場に所属している者が一番良く承知しているため、B事業場はB事業場の方々で構成し、事業場全体のものを「(拡大)安全衛生委員会」として設置、運営していくものです。

7-6

局所排気装置定期自主検査の資格者を配置したいが、どこで研修を行っているのですか?

当該資格の取得については、「局所排気装置の定期自主検査指針」に基づき受講資格や学科、実技の研修時間などが定められており、研修実施主体も限られています。
近隣県では行っておらず、中災防東京安全衛生教育センター(東京)、神奈川労務安全衛生協会(神奈川)などで実施されています。

7-5

市町村でも常時50人以上の労働者がいる場合には、産業医を選任しなければいけないのでしょうか?

県でも市町村でも常時50人以上労働者がいる場合は産業医の選任が必要となります。特に、現業部門(バス、上下水道、病院等)では労働安全衛生法が適用になりますので、産業医を選任していない場合は監督署からの指示・指導があります。
また、非現業部門(一般事務)の場合は労働安全衛生法の適用はありませんが、人事院規則の中に労働安全衛生法と同じ規定がありますので、産業医を選任していない場合は県又は市の人事委員会からの指示・指導があります。

7-4

産業医制度と同様、一定の有害業務を行う事業場において歯科産業医を選任する必要はあるのでしょうか?

労働安全衛生法施行令第22条第3項に規定されている業務(塩酸、硝酸等を扱う業務)を行う事業場については歯科医師による健康診断を行う必要がありますが、歯科産業医の選任までの規定はありません。

7-3

産業医について、常勤と非常勤の違いについて教えてください。

常勤と非常勤に関しては法令用語ではありませんので、産業医契約で専属産業医・非専属産業医の契約上の違いについてご説明します。
一概には言えませんが、専属産業医は常勤産業医という場合が多く、この場合、労働契約を締結して労働者という身分になることになります。


当センターで貸出している図書「産業医の職務Q&A 第8版」(整理番号01-24-2)が非常に参考になると思われますので、是非一度ご覧ください。
図書やビデオ等の利用方法につきましては、『ビデオ・図書等の貸出』をご覧ください。

7-2

産業医を選任し、産業医による健康診断結果の指導を受けたいがどうすればよいでしょうか?

青森県の場合、産業医の紹介は各地区医師会が行っており、産業保健サービスの内容まで相談を受けて産業医を紹介しております。
そのため、ご希望の産業医活動も併せて医師会へご相談ください。

7-1

事業場において安全衛生委員会を立ち上げる準備をしています。その委員会の構成メンバーは管理者側と労働者側と丁度半々にする必要があるのでしょうか?

安全衛生委員会の構成人数について、次のとおり整理できます。

労働安全衛生法で定める構成メンバー

  1. 総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者又は準じて指名する者1名(必須)
  2. 安全管理者及び衛生管理者のうちから事業者が指名した者(必須)
  3. 産業医のうちから事業者が指名した者(必須)
  4. 労働者で安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者(必須)
  5. 労働者で衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者(必須)
  6. 労働者で、作業環境を実施している作業環境測定士(任意)
  7. 2~6の委員の半数は「過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない


以上のとおり定められています。

一般的には、安全管理者(衛生管理者)1名、産業医1名、安全の経験者1名、衛生の経験者1名の合計4名を事業者が指名して、同数の4名を労働者側の推薦(安全又は衛生の経験者)で指名することで、総括安全衛生管理者を含めて9名としているところが多いと思われます。

一方、労働者側の推薦が得られるのであれば5名ということも可能と思われます。
《例》安全、衛生の経験者を労働者側の推薦者から指名し、産業医、安全管理者を事業者側のみの推薦とするなど
『1、2及び3(事業者側推薦)、4及び5(労働者側推薦)』

なお、参考となる法令につきましては、こちら(中災防安全衛生情報センターホームページ)をご覧ください。

  • 労災疾病等研究普及サイト
  • こころの耳
  • 明るい職場応援団

独立行政法人 労働者健康安全機構

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